最近「看護留学」が人気になっていますね。
留学に興味のある看護師は、
- 医療英語を勉強したい
- 海外の看護・医療を学びたい
- 看護師の仕事を離れて留学を楽しみたい
と思っている人が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、私の留学経験から看護留学のメリット・デメリットについて解説していきます。
看護師×ライターで活動中。病棟で3年→オーストラリアへ8カ月間留学した経験があります。現在は留学経験を活かして外資系医療出版社で働いています。
目次
看護師の海外留学のメリット/デメリット
海外留学というと、「英語を話せるようになる」「海外の医療を学べる」「経験を今後に活かせる」などイメージがありますが、もちろん良いことばかりではありません。
まずは、漢語留学のメリットからお話していきます。
看護師の海外留学:メリット
看護留学のメリットは以下の通りです。
✓メリット
- 英語が身に付く
- 働き方の選択肢が増える
- 人脈が広がる
- 新しい価値観がもてる
- 1人で生きていく力がつく
英語が身に付く
一つめは、英語が身につくことです。
留学の種類は以下のように3種類あります。
- ワーキングホリデーで自由に楽しむ
- 看護インターシップで病院・施設で働く
- 学生として英語を学びに行く
どの留学方法を選んでも海外で暮らしていくための“英語力”が必要になるので英語力が身につきます。(でも努力なしでは難しいです→これについては下のデメリットで解説)
たとえば、ワーキングホリデーで病院施設以外のカフェやレストランで働くにしても、採用されるには大体Intermediate(TOEIC500前後)は必要になります。
また、看護インターシップでは、学校で一般英語を勉強して→看護助手として施設で働くので、一般英語+医療英語も学ぶことができます。
私は③の学生として一般英語→医療英語コースをとりましたが、学校では「話す・聞く・読む・書く」全てをバランス良く身につけることができました。
留学前に英語のテストを受けていなかったのですが、大体IELTS4.5→6.0(約TOEIC500→740)に上がりました。
>>ビザについて迷っている方
オーストラリア留学するならワーホリ?それとも学生?【失敗しないビザの選び方】
働き方の選択肢が増える
留学後、英語力が向上したら英語が使える職場で働けるようになります。
たとえば、
- 外国人の多い病院・クリニック
- インターナショナル保育園・幼稚園
- 看護留学エージェント
- シップ(船上)ナース
- 治験・企業での英語器機メーカー
- 外資系メディカル企業
などなど。
英語×看護を生かして働けるようになります。
だいたい国内の英語基準はTOEIC700点以上が目安になります。(求人によって基準が異なるのでチェックしておきましょう)
私も留学経験を活かして現在の外資系企業(医療出版)に転職することができました。仕事では主に日本語を使いますが、他部署との会議では英語を使ったりします。
なので、将来は「英語を活かして働きたい!」という方は、留学経験は大きなメリットになるはずです!
人脈が広がる
留学にいくと本当に人脈が広がります。
学校や職場、ホームステイ先、イベントで出会った人などなど。日本国外に交流が広がるので、自分の世界がさらに広がります。
私が行ったオーストラリアは異文化で、学校では中国・マレーシア・インド・ドイツ・スイス・ポーランドなど、色んな国の学生と会うことができました。
また、もちろん外国人だけでなく、同じような目的できた日本人ナースにも出会えました。
同じ目標をもっている人達と出会えると「自分も頑張ろう!」と思う事ができ、良い刺激にもなります。
新しい価値観がもてる
留学に行った人しか実感できない“新しい価値観” を持てることもメリットの一つです。
今まで日本では当たり前・普通だと思っていたことが、その国に行くと違って見えるようになります。
その国の文化や風潮、人々の考え方の違いを知ることによって、自分の視野がさらに広がります。
これは、よく聞く“逆カルチャーショック”ですが、留学で得た新しい価値観に触れると、日本の良いところ・悪いところが見え、良い意味で日本を客観的に見ることができます。
1人で生きていく力がつく
さいごに、留学に行くと1人で生きる力が物凄くつきます。
海外にでると、もちろん信頼できる家族や友達もいないので、全て自分でやらなくてはなりません。
英語でドキドキの買い物やカフェでのオーダー、就職活動、料理、洗濯など。
とくに海外では、システムの違いから日本ではスムーズにできていたことも、うまくできないことも多いです。
なので、初めは失敗ばかりでへこむことがあるかもしれませんが、少しずつ慣れてできることも増えていくでしょう。
一つアドバイスを言うのであれば、留学前に簡単な料理くらいはできるようにしておくと、食費も節約できて、パーティーなどで友人へ料理も振る舞えるのでオススメです。
看護師の海外留学:デメリット
次に看護留学のデメリットを紹介します。
デメリットは以下の通り。
✔デメリット
- お金がかかる
- 英語の勉強が大変
- 万が一のリスクがある
- カルチャーショックを受ける
- 看護師の経歴がブランクになる
お金がかかる
まず、お金がかかることです。これは留学する多くの人が経験する悩みですね。
以下、私の留学にかかった費用です。
- 学校8カ月:約10万
- 留学保険8カ月:約6万
- 生活費:約4万/月
- 家賃:約5万2千/月
8カ月の留学期間で合計約90万円かかりました。
これを1年間に換算すると、最低でも120万円~150万円はかかります。
ただ、私の場合は学校に通っていた費用があるので、ワーキングホリデーで学校に行かない場合はもっとコストを抑えられるかもしれません。
また、留学中にアルバイトをすれば、ある程度の生活費+家賃はまかなえられます。
オーストラリアのレストランでの時給は大体19ドル~25ドル(約1,615~2,125円)です。 バーなどもっと高いところもあります。
オーストラリアの時給は日本に比べて高いのですが、その分物価も高いです。ただ、外食を控えて自炊すれば十分節約できます。
よって、留学期間によりますが、留学利用の目安として150~200万円くらいは準備しておくと良いでしょう。
英語の勉強が大変
もちろん、英語の勉強は大変です。
“留学に行けば英語が話せるようになる”とよくいわれていますが、残念ながら嘘です。
確かに、日本人の苦手とするリスニングは、英語環境に行くことで自然に耳が慣れていくので伸びることは期待できます。
しかし、 読む・話す・書く技能は、積極的な練習が必要になるので、英語の勉強は正直大変です(日本語と同じように、小学校で勉強した漢字やカタカナ、小論文のように練習する時間が必要になります)。
とくに学校でも授業はもちろん全て英語なので、初めはすごく難しく感じます。でも、“英語を絶対話せるようになりたい!”という強い意思があれば、きっと乗り越えられるでしょう◎
万が一のリスクがある
海外にいると、事故や病気などの万が一のリスクがあります。
事件・事故に巻き込まれる・突然の病気など、予測できないことが起こる可能性があるので、注意が必要です。
対策としては、まず治安の良い国・地域を選ぶことが吉です。そして、万が一起こってしまった時の保険等の対策も考えておくとよいでしょう。
海外留学保険はとても大切です。高いですが、なにもない場合のリスクはとても高くつくので、用意しておいた方が安心です。
カルチャーショックを受ける
次に、カルチャーショックを受けることです。
文化の違いは“新しい価値観”としてはメリットにもなりますが、デメリットにもなり得ます。
たとえば、「いつもバスが遅れる」「電車が急に運休になる」「電車内での通話は気にしない」「24時間以内でなければ商品の返品不可能(店による)」など。
日本と違うことで、海外ではうまくいかないことが沢山あります。
また人によっては、差別を受ける人もいます。
日本では当たり前であることは海外では通用しないことが多いので、海外に行くうえではある程度、心構えをしておいた方がよいかもしれません。
私の場合は、「異文化だから、うまくいかないのが当たり前」「こんなもんだ」と割り切ってマインドセットするようにしてました。
看護師の経歴がブランクになる
現在、日本の看護師資格はオーストラリアでは使うことができません。
もちろん看護インターシップでは、看護助手として働くことはできますが医療行為は行えません。
なので、海外の看護資格を取ろうと考えている方を除けば、留学中は看護師としてブランクになります。
しかし、日本の看護師の良いところは、慢性の看護師不足で復職しやすいので留学後の就職については心配する必要はありません(医療技術については復習しておいた方がよいかもしれません)。
転職の際はブランクの理由として「海外留学に行っていた」といえば、ポジティブな理由なのでむしろ好印象にみられます!
まとめ
今回は、看護師の留学においてのメリットとデメリットについて解説していきました。
もちろん留学は良いことばかりではありませんが、留学でしか得られないことも沢山あります。
留学を考えている方は、改めて「自分は留学で何をしたいのか」という目的をはっきりさせておくと良いでしょう。
くわえて「留学後はどうなりたいか」という留学後も見据えて考えておくと留学が終わった後のキャリアアップに繋げられるでしょう。
留学のご参考になれば嬉しいです。
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